「はぁ……」


程なくして部屋中に響いたのは、廉のため息。


彼の言葉で、あたしの運命が決まる。


「お前、いい加減にしろよ……」


あたしを睨む廉が、すごく怒っているのがわかる。


「あたし、出て行く……」


「はぁっ!?」


「廉があたしを見てくれないのなら、もうここにはっ……!」


「ユイッ!!」


廉があたしの言葉を遮るように呼んだのは、あたしの本名(ナマエ)じゃなかった。


「廉は……誰を想いながら、あたしを抱いてたの……?」


それは、あたしがずっと感じていた不安…。


咄嗟に出た言葉だったけど、あたしが一番訊きたい事だった。


「……何だよ、それ?」


廉の声が、益々低くなっていくのがわかる。


あたしはバッグを持って、部屋から出ようとしたけど…


廉に腕を掴まれ、ベッドに押し倒されてしまった。