制服が夏服に変わって、あっという間に、夏休みがくる。

「真生は巧と行くの?夏祭り。」

真生に問う。

「うん。夜志乃は?」

あたしは、その質問を笑って誤魔化した。

行く人なんて、いるわけないよ。

彼氏いないし。

小さく溜め息をもらすと真生は静かに。

「ねぇ夜志乃?」

あたしは窓を向きかけた顔をもう一度、真生の方にやる。

「紫陽花って人の…幼なじみって本当?」

小さく、言いにくそうに言う。

あたしは思わず、周りが聞いてないか窺う。