紫陽花なアイツ


名残惜しく、出て行った出口を見る。

「置いてくぞ。」

後ろから声がかかり、あたしは振り返る。

そして、何かが目に留まった。

「?」

キョロキョロと辺りを見回す。

「早くしろ。」

苛ついた声。

あたしは頷きながら、葉介に近づく。

気のせいか。

と葉介を見たら、葉介は何かを凝視していた。

焦るような慌てるようなそういう目で。

「何?何かあった?」

もしや、今の彼女がいたとかじゃないよね!?

あたしは葉介が見る先の物を見る。

でも、それは彼女ではなかった。