紫陽花なアイツ


葉介が立ち止まるから、あたしも立ち止まる。

出口に向かう家族が、隣を通り抜けて行った。

「また今度連れて来てやるよ。」

意外な言葉に。

そんな優しい言葉に。

昔の葉介が戻ってきた気がした。

「…いいの?」

「あぁ。」

あたしは葉介の隣に並んだ。

「だったら、今度はあたしが奢るからね。」

優しい葉介に素直になれる自分が一番好き。

「頼む。」

呟くような葉介の声と同時に出口に歩き出した。