紫陽花なアイツ


アパートの部屋の隣に葉介の家族は住んでいる。

「ばいばい。」

「じゃあな。」

そう言って、部屋に戻った。

今日もあたしのお母さんもお父さんも仕事で忙しい。

「…ただいま。」

葉介は、帰ったら爽介とお母さんに「お帰り」と言ってもらえるんだろうな。

比べたって仕方ないのに少し悲しい。

玄関のベルが鳴った。

あたしはドアを開けると葉介が立っている。

「…どうしたの?」

「母さんが一緒に夕飯食うって。」

「…?」

何を言ってるか分からないけど、葉介が自分の家に帰っていってしまうから着いていく。

「あ、夜志乃ちゃん。おかえりー。今日は鍋だからね、一緒に食べるわよ!!」

葉介のお母さんが張り切っていた。