紫陽花なアイツ


葉介は驚いたように少し目を見開いて、

「帰るか。」

と言った。

あたしは葉介の隣を歩いて、空を見上げる。

「…葉介、今日高跳びやってたね。」

「見てた?」

「うん。すごかった。」

あの時の事を思い出すとまた息をし忘れそうになる。

「100メートル、やる時間がなかった。」

「やらなくても分かるよ。葉介が一番速い。」

自分の自慢のように胸を張るあたしに葉介が少し笑った。

「…あたし、やっぱり走る葉介が好き。」

呟いた。