私は無理やり荷物を奪い取り、蒼と手を繋ぐ。

「我が儘だな、チマは」

「そっ。私は我が儘だよ」

(それに偽善者だし)

心の中でそっと呟き、蒼に笑いかける。

「さ、帰ろ蒼。」

二人の手を繋いだ影が、道へと長く引きのばされていた。