「あんまり気になさんな。」
ポンと肩を叩かれた。
さっきと同じようにのんびりとした京の声。
「でも…海が…。」
「あいつが居なかったら今頃、重傷負ってる奴だって出てた。」
そういう言葉はズルい。
あたかも海が居ないといけなかったって聞こえる。
私の考えは間違ってるかのように聞こえる。
「…京、言い過ぎ。」
黙った私を庇うように言ったのは、九条さん。
「うぉ、ごめんなうーちゃん。マジ言い過ぎた。だから泣くな、泣かないでくれ。後でそれが海に知れたら俺は墓場送りにされちまう!!」
私は泣いてはいないのに京はあわあわと焦る。
そんな一人劇みたいなのが面白くて、笑った。



