「もしもし……?」


少しだけ眠そうな嵐の声が、電話口から聞こえて来た。


あたしは、すごく緊張しながら口を開いた。


「あっ……!あたしだけど……。寝てた……?」


「うん、樹里?どうした?」


“あたし”って言っただけで、わかったのかな……?


それとも、ちゃんとディスプレイ見たのかな……?


「あのねっ……!嵐に渡したい物があるんだけどっ……!」


「何?プレゼント?」


「今は言えないっ!!何時になってもイイから、今日会えないかな?」


あたしは一気に言って、嵐からの返事を待った。


「じゃあ、今からお前ん家行く。それでイイ?」


「うん……。じゃあ……」


電話を切った後、全身の力が抜けた。


告白は、まだこれからなのに…。