至近距離恋愛 -Hero-

「別れる訳ないやん!ラブラブやもん♪」


「お前なぁ〜……。いい加減、あんな奴と別れろや」


「はぁ?何で雷に命令されなアカンのよっ!?」


不機嫌な表情で言った雷を睨みながら、強い口調で言い返した。


「お前、あいつに利用されてるだけやろ!」


「違うもんっ!!もう放っといてよ!」


あたしは唇を噛み締め、勢いよく立ち上がった。


「杏里!」


そして呼び止める雷を無視して、わざと大きな足音を立てながら部屋に戻った。