至近距離恋愛 -Hero-

「あのなぁ〜、俺は別に教えて貰わんでイイねん!」


「だって教えへんかったら、アンタはずっとあたしに淹れさせるやろ!?」


あたしが言い返すと、雷は満面に悪戯な笑みを浮かべた。


「教えられても、ずっとお前に淹れさせるけどな♪」


そして調子良くあたしの髪をグシャッと撫でた後、小気味良い程ニカッと笑った。


「じゃあ、あっちで待ってるから♪」


雷は言い終わるよりも早くソファーに戻って、当たり前のように身を深く沈めた。