至近距離恋愛 -Hero-

「昼飯食おうや!」


稔はさっきの事を誤魔化すように明るく言って、あたしの手を掴んだけど…


あたしは、すぐに彼の手を振り払った。


「何やねん!?」


その途端、不機嫌になった稔が怒鳴った。


「今すぐ別れて!」


「はぁっ!?」


大声で言うと、稔は凄むようにあたしを睨んだ。


別に、恐くない。


あまりにも呆れ過ぎて、もう腹も立たない。


ただ一刻も早く稔と別れて、ここから離れたかった。


だけど…