至近距離恋愛 -Hero-

「ママに言ったら、淹れてくれるやろ?」


苛立ちを隠せずに不機嫌な声で返し、また起き上がった。


「おばちゃん、おらんし!」


「何で?」


「おかんと買い物行くって!」


「えぇ〜……」


あたしが眉をしかめると、雷はカーテンを開けた。


「おっちゃんとおとんは、ゴルフ行ったで!」


「何や……。じゃあ、まだ寝れるやん」


潔く布団を取り返すのを諦めたあたしは、ベッドに横になった。