Tirnis side
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 ヤバイ。ヤバイ。非常にヤバイ。

 なにがって。

 不良騎士との賭けはもう五日目。約束の期限まで今日を入れて残り三日となってしまった。
 結局、休日に彼の行方をつかむことができなかったのだ。

 これはヤバイ。ホントにヤバイ。このまま見つけられなかったら、賭けに負けてしまう。

 けれど平日は、次期王位継承者として勉学に励む、という日課がある。休憩時間や勉強の後では見つけられそうにもない。

 いったいどこに雲がくれしているんだろ……?

 でも。
 カンタンにあきらめるような物わかりのいいお姫様じゃないのよ、私は。とっておきの作戦を考えたんだから!

 名づけて……

『一撃必殺大作戦』!!

 待ってなさい、あの不良騎士。この作戦で必ずしっぽをつかんで、一撃と言わず二撃三撃喰らわせてやる!


 …………

 ………………

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──というわけで。まだ日が一番高いところに昇りきらないころ。

 いつもならあの口やかましいダリウスの監視のもと、帝王学の講義を受けている時間。けれども、勉強部屋とはまったくかけ離れた場所にかくれひそんでいた。

 なぜって? それは……