ピピピピピピ


目覚まし時計と同時に目覚める。




お兄ちゃんに会いたくないなと思いながらリビングへ行くと、

もうお兄ちゃんはおらんかった。



「もうおらんのや」



「今日は朝から何か用事ある言うて出て行ったわ」




お兄ちゃんに会いたくなかったのに、なんでかちょっとがっかりしてる。


背中押して欲しかったんかも知れへん。


お兄ちゃんに……



大雅との仲直りのきっかけを作ってくれたお兄ちゃんに、

“大雅に会いに行け”って背中押して欲しかったんや。




悩むけど……



やっぱり

美術室なんか行かへん!!!!





行きたいけど


行きたいけど!!!!





また昔みたいにからかわれて、


いじめられて……



あ~

でも、大雅のおらん毎日は寂しいんよな。





どうしよう。


行くべき?





でも……



『食べて欲しかったら』って言ったよな?



食べられたくはない。





体だけの女になんかならへん!!!




絶対絶対絶対行かへんもん。