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「ん………?」


今…一瞬、孫娘の笑顔が過ぎった。



『じいちゃん、約束破ってごめんなさい』


杏樹の声が頭に響いてくる。


「まさか……あの術を使ったのか?」


黄泉がえりの術を―…。


「……あの戯け者めっ!!また無茶をしよって!」




この前の怪我といい…治すのには、大変じゃった。


杏樹があれほど酷い重傷を負っておきながら、2週間足らずで退院出来たのは

祖父がほとんどの傷を治していたから。


目に入れても痛くないくらいに可愛い孫娘の杏樹。



「全く………天狐殿に頼ばねば
我が孫娘は、簡単には死なせん」



座布団から立ち上がり、出かける仕度をして…家を出た。