陸の体を包んでいた燐光がゆるやかに消えて、ドクンと陸の心臓が動き出す。




「…成功………おかえり」


背中をポンポンと叩いた。


「……咲さん?
帰って来てくれましたよ?」


「陸っ……!」



駆け寄ってきた咲さんに、陸を渡す。



周りが陸が帰って来たことに喜ぶ中……

静かにスタジオを出た。



「…そろそろかな……」


トイレに入ると、急に吐き気が襲ってくる。



「ごぼっ………っ………ぐっ…」




吐いたのは…………真っ赤な血。



「内臓破裂……?」


体の内側から、壊れていってるみたい。



「ゴホッ…………っ……!」





最後に大量の血を吐いて、そのままくずおれた。




それきり……動くことはなかった。