喉を押さえた。


ケホッ…ケホッ……



風邪なんて引いてないのに…なんで?




スッと目の前が、暗くなった。


蛍光灯切れたの…?


いや……違う。



暗くなったのは、真っ黒な服を着た長身の男の人が立ってるからだ。


この人……危ないっ…!



後ろに逃げようとするが、

「貴女には、マリナ様の余興の道具になってもらいましょう」


バリトンの声が、脳に響いて動けない。




「…っ…い……やっ…杏樹っ!!」



いつの間にか、3人の男に取り囲まれて、抵抗も出来ないまま……






気を失った―…。









私が、事件に関わることで杏樹をもっと苦しめるなんて―…