地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐



財閥の御曹司だから、病室は『ホテルか!?』ってくらい豪華…。



大きなベッドの上には、静かな寝息をたてて寝ている陸がいた。




頭に包帯を巻いているが、それほど酷い怪我ではなかったらしい。


「…よ……よかった……」


急に力が抜けて…床に座り込んだ。




頬を温かいものが伝う。

唇に落ちて来たものを舐めると、しょっぱかった。


あたし……まだ……この人のこと好きだったんだ……
忘れようとしたのになぁ…。




手で拭い、立ち上がる。


「お手伝いさんから受け取った荷物を片付けないとね…。」




でも…その前に………


「……陸が怪我をしませんように……」


ベッドに近付き、陸の頭を撫でた。