ブーッ…ブーッ……
咲さんのマナーモードにしていた携帯が鳴り、バイブ音がスタジオ内に響いた。
お茶を受け取るのを止めて、席を立つ。
少し離れたところで、電話に出た。
「はい。……えっ!?陸がですか!?
はい……はい……◇▲総合病院ですね?はい…わかりました。」
離れていても、“陸”と聞こえた単語に体が固まる。
陸がどうかしたの…?
病院ってどういうこと?
急に速くなる心臓を抑えて、咲さんが戻って来るのを待つ。
戻って来た咲さんの顔は、真っ青だった。
「……陸が…階段から足を踏み外して落ちたらしいわ。」
「えっ…………?」
話を聞いたあたしの頭に浮かんだのは、窓ガラスの破片で腕を怪我した時のこと…。


