怒りを抱えたまま…教室に戻る。



ビンタを食らわせた後、睨んでその場を去って来た。


教室の外から、杏樹を見る。

ぼーっと窓から空を眺めていた。


お弁当を机の上に置いて―…


「杏樹ちゃん…お弁当食べないの?」

「………あっ………うん。食べるほどの食欲がないんだ……」

「マジ?…あのさ……俺がもらっても良い?」


上田君が控えめに尋ねる。

「…あぁ……良いよ。食べて…」


力無く微笑み、お弁当を差し出した。



「よっしゃっ!!いただきます!!」


笑顔で頬張っていく上田君…。

無理矢理微笑んで、『食べてくれてありがとう』と告げる杏樹…。




好きな人に『カラダ目的だった』、『“バケモノ”』と言われて平気でいられる訳がない。