幼い頃から、何度も言い聞かせてきた。 杏樹が弱くなる度に…。 またこれを言うなんて…… 思ってもいなかったよ。 もう言うことはないと…思っていたのに……! 彼……滝本君が現れてから―… 私じゃ、どうしても出来ないことを、彼なら出来るの…。 二人が付き合ったと聞いた時… 『もう大丈夫だ』と思えたのに。 なんで…杏樹を泣かせるようなことをするのよっ! 怒りが沸々と沸き上がってくる。 「……本気で切り落とすわよ」 杏樹を抱きしめて、拳を握り締めた。