地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


翌日――――


3限目の休み時間


陸からのメールで屋上に呼び出された。



陸の分のお弁当を持ち、屋上に向かう。


お弁当は、いつもより手間を掛けて作った。


今日は、悪戯してないよ?

陸の望む“フツーの弁当”だからね!




「早く行かなきゃ、休み時間終っちゃう!」


いや―……陸なら“サボる”とか言いそうだ…。



パタパタと階段を駆け上がる。




ガチャン……


ちょっと錆び付いた扉を開ける。


「さむっ……」


冷たい風が体中に当たった。



「えっと……陸は………」



屋上を見渡すと、だいぶ入口から離れた所にいた。




フェンスに寄り掛かり、ぼーっと宙を見つめている。