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――杏樹Side――
『杏……………』
陸に呼ばれたような気がした。
机に伏せていたのを、起き上がる。
教室には、夕日が差し込み、赤く色づけていた。
「5時過ぎか……陸の撮影終わったかなぁ…?」
大きな欠伸をして、帰る仕度をする。
明日は、陸が学園に来るし…お弁当作らなきゃね。
「おかず何にしようかな?」
コートを着て、マフラーを巻く。
肩に鞄を掛けて、教室を出た。
しかし、この時。
さっきの陸の声がSOSだとは…思いもしなかった。
もうちょっと気をつけていれば、翌日の悪夢はなかったのかも知れない。


