気味悪くねぇか……?
『貴方が変わってしまったら、あの女はどうなるのかしら?』
「あ゛!?」
ぴくりと眉が吊り上がる。
『貴方達が、言うことを聞かないのが悪い。』
顔を覆っているベールから口元だけが覗く。
その口端がニヤリッと上がった。
コイツ……ヤバイ!
本能が危険だと告げている。
「お前何言って……」
女から離れようと後ずさった瞬間
「えっ………?」
急に視界が真っ黒に染まり、思考が止まる。
『お楽しみは、これからね』
フフフ…と、闇に属する女の笑い声が止まらない。
ゆっくりと体から力が抜けて、地面に倒れ込む。
「杏……………」
意識を失う直前…愛しい杏の笑顔が脳裡を駆け抜けた。


