地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐




気味悪くねぇか……?



『貴方が変わってしまったら、あの女はどうなるのかしら?』


「あ゛!?」


ぴくりと眉が吊り上がる。


『貴方達が、言うことを聞かないのが悪い。』


顔を覆っているベールから口元だけが覗く。


その口端がニヤリッと上がった。




コイツ……ヤバイ!


本能が危険だと告げている。



「お前何言って……」


女から離れようと後ずさった瞬間


「えっ………?」



急に視界が真っ黒に染まり、思考が止まる。



『お楽しみは、これからね』


フフフ…と、闇に属する女の笑い声が止まらない。




ゆっくりと体から力が抜けて、地面に倒れ込む。





「杏……………」



意識を失う直前…愛しい杏の笑顔が脳裡を駆け抜けた。