昼食を済ませたら、また撮影が始まる。
大輝君は撮影が終わったんだけど、「今日はもう学校がないから」と、あたしにくっついて来た。
「午後からは咲さんも来るんだよね…」
スタジオに入ると、もう咲さんがいた。
「杏ちゃん、お疲れ様!」
「咲さんの方がお疲れ様です」
ニコッと微笑んだ。
咲さんがいる時間帯は、パシリ扱いがない。
ちょっと楽になる♪
休みもないと、あたしが倒れるし…
「あらっ…大輝君も一緒?」
手を繋いでいた大輝君を見る咲さん。
「…こんにちは」
小さめの声で咲さんに挨拶を返すと…あたしの後ろに隠れた。
「杏ちゃんにべったりなのね?」
「……そうですかね?」
あたしは首を捻った。


