――陸Side――



「凄―い…学年1の天才君だね!」


アイドルの黒田マリナが、キャッキャッ騒ぐ。



うるさい。

アンタに褒められても少しも嬉しくない。



あーあ………

せっかく杏と久々に遊べると思ってたのに…


テレビ取材?

どーでも良いんだけど。



こんなアイドルの奴より、杏の甘い声を聞いてた方が、何十倍も楽しい。



可愛かったなぁ―…


弱いところばっか攻めてやると、


目に涙を溜めながら、甘い声を紡ぎ出す。




声を抑えようと、顔を真っ赤にする杏の表情がたまらなく良い…。




睨み付けられると、誘ってんのかと思う。