杏樹の顔を眺める。




「……やっと。
全て俺だけのものだよな?」


返事はなく、眠り続ける杏樹。


ずっと欲しかった。

出会った日から。


俺のことを何一つ知らずに話し掛けて来た初めての女の子。




話してみれば…
天然で自分の容姿に無自覚で…


強気で俺に牙を剥く

だが…寂しがり屋で泣き虫で甘え方を知らない。



幼い頃から、仕事で

常に強く…弱音を吐かず…

松沢を守ることだけやってきた。





無垢で何も知らない…
真っ白な女の子



そんな杏樹を見ていると
めちゃくちゃにしてやりたくなる。



「…俺以外、よそ見すんじゃねぇよ?」



というかさせない。



これから、多分…

ハンパなく男達に言い寄られると思う。