「んん・・・・」 初めて、唇が重なった瞬間だった。 そう、ファーストキス。 こんな男に取られたしまった。 拉致されそうになっていたあたしを助けてくて、いきなり褒め言葉、あたしの顔を赤くさせたこの男に。 角度を変えて重なる唇。 逃げようと思っても、後頭部には男の手が回っているから逃れられない。 男の胸元を押してもびくともしない。 「ん・・・・んん」 優しく包みこむような感触のキスに、あたしは涙を浮かべた。