「はあ……はあ……」


どのくらい走っただろう―――





あの後、あたしはひたすら走った。


何かを忘れたい一心で、ひたすら走り続けた。







今でも、頭をよぎるあの言葉―――


「亜季が好きなんだよ」




お願いだから……


もう、そんなこと言わないで―――







"好き"なんて言葉……


言わないで―――





そんなこと言われたって……


どうしたらいいのか分からないんだもん―――







それに、あたしはお姉ちゃんの妹で……


爽真君はお姉ちゃんの元カレで―――





複雑な関係になることくらい……


最初から目に見えてる。






お姉ちゃんが爽真君と再会した時……


お姉ちゃんも爽真君も、複雑そうな顔してたから―――