ザァーッ―――


降り続く雨が、あたしたちの体温を奪って行く。




「…………」


あたしたちの間には、イヤな雰囲気が漂う。







「……ヒックッ」


あたしは道路に座り込んだ。





「……うぜーよ。お前に、俺の何が分かんだよ」

「何にも分かんねーよ。分かる訳ねーだろうが」

「……じゃあ、余計な口出しすんなよ」


「でもなあ……こんなことでしか自分を偽れないなんて寂しすぎるだろ」

「……どうせ俺は、出来底のないろくな人間だ」

「でも、まだいくらでもやり直せるだろ」


「簡単に言うなよ!!俺は……親からも友達からも見捨てられた。今さらやり直すなんてムリだ」

「なんでそうやって決め付けんだよ。そんなのやってみなきゃ分かんねーだろ」



二人の会話が、雨の中でもよく聞こえてきた。