「でもまさかOKしてくれるとは思わなかったよ」



店を出て別れ際、西村さんは一言だけ呟いた。



「そうですかー?」



笑いながら私はおどける。



これまでの過去を知らない彼だから、そう思ったのかもしれない。



お金が欲しい訳じゃない。



キャバクラの給料でも充分生きて行ける。



そんな私がわざわざ自分の体を傷付ける場所へ向かう事。



それは、自分で自分を壊したいという事だから。