「本当にいいの?」



「キャバクラは止めませんよ? 昼から夕方までの間だけ」



「それでも全然構わないよ」



……じゃあ、と西村さんは手帳を開く。



そしてこう言った。



「ジュエリードールでどう? ゆいちゃんの家からもそう遠くないし」



そのジュエリードールという店は、一人暮らしをしている家から本当に近くて。



普通だったらそんな近所は避けると思う。



だけど私は構わなかった。



心にずんと重く圧し掛かる切ない痛みを思えば……それはほんの小さな事。