変わらない、切なく憂う魅力的な眼差しで、
アキちゃんは私の動作を止めると
名刺を取り出し、そこに何かを書き込んだ。
ぐいっと渡されたそれは……。
ジュエリードールとは違う店名。
だけど、私には分かる。
聞き覚えのある同じ系列店の幹部、そんな肩書きを持った今のアキちゃんの立場を表すその名刺。
「こんな所で会えるなんて思わなかった」
そう言うアキちゃんの言葉に厭味は無くて。
いつか……一緒に飲んでいた時のような、
ほぐれた優しい笑顔でこれまでの時間を埋め尽くすように私の顔を見る。
だから……。
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