「今日はありがとうございました、また明日」 そう言って背中を向けようとした私に……笑って手を振るアキちゃん、の姿は無かった。 その瞳はまっすぐに私を見つめ、思わず動きを止めた私に一言。 「帰りたく……ないよね?」 え?と聞き返そうとしたその時には既に車は発進されていて……。 こんなに自信に満ちて、迷いの無い誘い方は初めてだった。 私の気持ちなんて知らない癖に。 そのまま何も言えないまま、車は近くのラブホテルへと吸い込まれた。 大胆過ぎる言葉に、逆らう気さえ起きなかった。