「私も結構居酒屋とか好きです」



そう言ったのは心から。



夜の仕事に慣れるにつれ、これまで入った事のないような高いお店にたくさん連れて行ってもらうようになった。



けれど……女友達と飲む時は、チェーン店の安い居酒屋の方が気が楽だったり、そっちのメニューの方が口にあったりするのだ。



アキちゃんもきっとそうだったに違いない。



「適当に頼むね」



手早く注文した串物がテーブルに並び、お腹の空いていたらしいアキちゃんは嬉しそうにそれを頬張る。



「ゆいちゃんも食べなよ」



食事を勧めながら、お店の事、私の夜の仕事の事。そんなたわいもない話で時間は過ぎていく。