「ゆいちゃん、戻っておいでよ」 「ん、でも……」 都会の一等地にある落ち着いたバーで、年の割りに随分と薄くなった頭をかきながら男は照れたように笑う。 見るからに人の良さそうなこの人とは、思えばもう随分と長い付き合いだ。 ある商売……まぁいわゆる風俗業界を転々としていた私が、とある店「ペルセウス」で 一時期働いていた頃の事。 そこでマネージャーをしていたのが彼。 名前は西村と言う。