それから数日経ったある日、久しぶりにサチが学校に顔を出した。



ジワッと熱くなる胸…。



バッサリ切られた茶色い髪…。



俺が好きだった髪が…。



「龍ヶ崎、体調大丈夫か…?」



ついうっかり声をかけた。



話さない予定だったのに…。



「大丈夫!!」



それだけ言って満面の笑み。



俺の方がダメだとハッキリわかった。



教室とか関係なく…。



抱きしめたくなる。



俺のサチだったのに…。



サチサチサチサチ…。



「好きだ…」



たまらなくなって嘆いた言葉。



それはザワついてる生徒の声に掻き消された。



ヤバイくらい泣きたい。



切なくて泣きたいなんて初めて感じた…。



お前と話しがしたい。



抱きしめたい。



好きで好きでどうしようもない…。



教室にいれなくなりそうだった。



失恋した自分がこんなになるなんて思ってなくて…。



今すぐ逃げ出したい。