なのに…。



ガンガンとシャッターを叩く音…。



一瞬シカトしようかと思った。



だけどサチがフルフルと首を振ってる…。



「わかったわかった…。ちょっとロフト上がってな」

「なんで?」

「誰だかわかんねぇから」



その気になったのに…。



誰でもいいからさっさと追い返してやる…。



一応サチのローファーは見えないとこに隠した。



開けたシャッターと久しぶりに見る顔…。



「スミレはどこだ!!」

「知らねぇよ…」

「何日も家を空けてると言うじゃないか!!お前の影響としか思えない!!」

「なにしに来たんだよ。親父…」



俺が老けたような顔の親父。



見た感じ怒ってんのがわかる…。



顔見んの何ヶ月ぶりだろ…。



「テストの採点で忙しいから帰れよ」

「教師なんてやめて早く家に戻って来い」

「何度言われても戻る気はない。家なら桔梗に継がせろよ」

「長男のくせにいつまでもなに温いこと言ってるんだ」



出来の悪い長男で悪かったな。