二人で手をつなぎながらビルの中に入った。

入場券を買う時だけ手を離して、後はずっとつないだままだった。

この水族館、地元のデートスポットとしても有名だし、家族連れにも人気。

日曜日なだけに人は多かったけれど、中は広いからゆっくり見られる。

「ねっ、キレイでしょう?」

アクアブルーが目の前に広がり、色とりどり、形いろいろの魚達が泳ぎ、舞う。

「うわ…。ホントだ」

彼は感動して、言葉を失っていた。

動かなくなった彼を、無理やり引っ張り回す気はなかった。

感動している彼を見続けているのが、結構良いなって思えたから。