「何と言いますか。ただ思い出したから。ですかね?」


「「「「…思い出した?」」」」


皆がポカンとした表情。


僕ってば何か変な事言ったっけ?


「思い出した。って何を?」


「……う~ん。なんと言いますか、あれです。バカ姉です」


ず~っと昔、バカ姉が両足を骨折した時の話を思い出したのだ。


その時バカ姉は笑って「勝てそうになかったから三階から飛び降りた」とかあの頃は、バカ姉は頭でも逝っちまったのかと思ったけど。


今なら、飛び降りた理由もその心うちも理解できる。


だから僕も言おう。


「勝てそうになかったから跳んだんです」


「……なんて言うか。君、アホだよね?」


なんて失礼なっ!!


僕がまさか桃東先輩にアホ呼ばわりされるとは!!