「風花ちゃん、僕は、君が外に出たいなら出してあげるよ? 出たいなら、手を握ってご覧。 君には、力もあるし空が飛べる翼もある。 簡単だよ。 願えばいいのだから。」 差し出された大きい手の平をぼんやりと見つめる。 狂いそうな生活。 逃れられるなら… 手を重ねて弱く握ると、彼は意地悪そうな笑みを浮かべた… 「願いは?」 「外に…」 悪魔と契約したのかもしれないと、意識の片隅で思った…