純白の翼



三善が持って来たのは、分厚いファイルだった。
黒いファイルに、目をやると、三善は苦笑した。
「パソコンで管理すると君のような人間にハッキングされたりするからね、あえてアナログで管理してるのさ。さて、…………………………………ここだ。」
ぱらぱらと三善はページをめくっていたが、三善があるページで指を止めた。
『〇年度、特待生』その下に顔写真と、様々なことが記されている。
「まず、近藤が会ったのが、この子だ。」


『早乙女風花』


「この子は、ある一族の末裔でね。異能を色濃く受け継いでいるが故に昔から国で管理されてきた子だ。
彼女は、空を舞い、風を操る。身体能力も並外れ、俗に言う死なない肉体を持つ。
日本は平和主義だからまだ彼女は管理の下の自由を許されているけど、アメリカ辺りだったら簡単に徴兵されたろうね?」