アタシが生まれる前から転勤族だった両親。

同じ会社に勤めてて、今でも夫婦の仲は良い。

幼い頃から友達が長続きしないアタシを心配して、仕事以外の時間はほぼアタシに付きっきりだ。

2人の愛情はとても優しくて大きい。

おかげで反抗期も、ほぼ無し。

…本当は中学時代、寮のある学校に転校した時に、1人暮らしをしたいと思ったこともあった。

でも…両親から涙を流され、大反対されれば、誰だって折れる。

「ふぅん。娘思いなんだな」

「一人娘ですから」

ちなみにお茶も母の作ったもの。

あたたかいハーブティーは、疲れた心と体を癒してくれる。

もう一杯飲もうとして、コップにそそいだ時だった。

「どれ」