リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『同級生』・2

―そう思ったのが、つい一ヶ月前のこと。

今はもう、新しい制服も慣れてきた。

アタシは相変わらず、お昼を1人で食べる時間を作っていた。

ここでは中庭がベストスポットだ。

1人で誰にも邪魔されずに食べているのに…思い出すのは彼のことばかり。

「…何で忘れられないんだろう? やっぱり…好きだったのかな?」

好きだったから、あんな別れ方をしてしまったのか?

今更悩んでも悔やんでも、全てが遅いのに…。

「そういうことは、本人の前で言うことだ」

いきなり背後から抱き締められた。

懐かしい彼の声と匂いに、涙が浮かぶ。

「なっんで…!?」

「オレも転校してきたから」

振り返ると、確かにここの制服だ。でも!

「まさか、アタシを追って?」

「当たり前だろう? 惚れた女追いかけて、何が悪い?」

相変わらずのふてぶてしさ。

だけどそれが嬉しくて、アタシは彼に―キスをした。