親が転勤族で、学校が変わることなんて当たり前の日々を送っていた。

それは高校に入ってからも変わらず、二年も同じ土地にいられれば良いほうになっていた。

そのせいか、アタシは友達をあえて作らなくなった。

作っても、離れれば意味が無いから。

距離が離れれば、気持ちが離れてしまうのを、よく知っていたから。

だから適度な距離をおいて、友達を作っていた。

学校にいる時は一緒にいても、転校したら一切連絡を取らないような友達を。

友達付き合いもこうなのだから、恋人はもう絶望視していた。

何回か付き合ったけれど、やっぱりお互いにムリだって分かって自然消滅。

全戦全敗なのだから、諦めもつく。

だから今回転校してきた高校でも、同じように済ます気だった。