消えかけた電灯が、チカチカと私たちを照らしている。
さっきまではまだ藍色だった空は、もう真っ黒だ。
星が目立つ。
「まだ、少し肌寒いですね。」
自分の手をさすりながら、私は横にいる先輩に目をやった。
「そうだな…」
素っ気なくそう言って、先輩はたんたんと歩いている。
「……クシュッ」
身体がだんだん冷えてきたせいか、ついくしゃみが出てしまった。
「鮎川…」
「はい??」
私が先輩の方を向いた瞬間、私の手が急に暖かくなった。
先輩の手と私の手が、しっかりと絡み合っている。
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