先輩はひときわ大きな声を上げて、私を抱き止めた。


「あ、先輩っ…」


また、先輩から抱きしめられる形になってしまった…。


「ご、ごめんなさい!」


「…鮎川、ドジなんだな。」


そう言って、先輩はフッと柔らかい笑顔を覗かせた。


「自覚してます…」


「そう……」


先輩は柔らかい笑顔のまま、私の頭に軽く手をのせた。


「先輩…??」