「先輩…??」


「………。」


先輩は無言のまま、携帯で何かをしている。


「“今日は遅くなる”って、メールした。」


「だから大丈夫。」と言って、私の握った手を引っ張った。


「わっ……」


急に引っ張られたからか、足のつま先が保健室の扉の段差につまづいてしまった。


そのまま、先輩の方へと倒れ込むようにしてこけた。


「鮎川っ!?」