さっき保健室に入ってきたのは東雲先輩であって…

その時私は、先輩に壁に押さえつけられている状況であって…

はたから見れば、なんか誤解が生まれるのも仕方ない。


「だ、だからあれは…」


「ああー、もうちょっと後にくればベストショットが撮れたのになー!」

そう言って、東雲先輩は手でカメラの形を作る。


「輝、鮎川が困ってる。」


「はいはい、ごめんね小春ちゃん、困らせちゃって。」


「い、いえ…というか」


「何で私の名前を?」と、東雲先輩に投げかけてみた。

私が東雲先輩と話したのはこれが初めてで、東雲先輩が私の名前を知っているはずがない。


「あー、名前??」